映画『レイクビュー・テラス 危険な隣人』(原題:Lakeview Terrace)は、2008年に公開されたアメリカのスリラー映画です。監督はニール・ラビュート、主演はサミュエル・L・ジャクソン、パトリック・ウィルソン、ケリー・ワシントンが務めています。この映画は、郊外の静かな住宅地を舞台に、表面的には理想的な環境で繰り広げられる隣人間の対立を描いた緊張感あふれる物語です。
2008年公開
所要時間 1時間50分
対象年齢 16歳以上
あらすじ
物語の中心は、カリフォルニアの閑静な住宅地「レイクビュー・テラス」に新居を構えた若い夫婦、クリス(パトリック・ウィルソン)とリサ(ケリー・ワシントン)です。彼らは人種の異なる夫婦であり、これが隣人との関係に影響を与えます。
隣人であるアベル・ターナー(サミュエル・L・ジャクソン)は、ロサンゼルス市警の警官で、シングルファーザーとして2人の子供を育てています。一見、模範的な市民のように見えるアベルですが、彼は次第にクリスとリサに対して執拗な干渉と嫌がらせを始めます。
アベルの行動は次第にエスカレートし、夫婦のプライバシーや安全が脅かされるようになります。アベルの過去や動機が徐々に明らかになる中、彼らの対立は取り返しのつかない事態へと発展していきます。
主な出演者
サミュエル・L・ジャクソン(アベル・ターナー役)
アベルは、表向きは秩序を重んじる警官ですが、その裏には強い偏見と個人的な葛藤が隠されています。


パトリック・ウィルソン(クリス・マットソン役)
クリスは冷静で理性的な性格ですが、アベルの挑発に対して次第に感情をあらわにしていきます。


ケリー・ワシントン(リサ・マットソン役)
リサはクリスとアベルの対立の中で板挟みになる存在です。


テーマとメッセージ
『レイクビュー・テラス』は、単なる隣人間のトラブルを描いただけの映画ではありません。本作では、以下のような社会的テーマが掘り下げられています。
- 人種差別 異人種間カップルであるクリスとリサに対するアベルの態度は、人種差別の問題を反映しています。表向きにはリベラルな社会でも、個人の内面に残る偏見がどのように表れるかを描いています。
- プライバシーの侵害 アベルの監視や干渉は、プライバシーがいかに簡単に破られるかを警告するものです。
- 権力の乱用 警察官であるアベルが職業上の知識や権力を利用して夫婦を追い詰める様子は、権力の危険性を示唆しています。
演出と映像
映画の舞台となる郊外の住宅地は、一見平和で理想的な環境のように描かれていますが、その静けさが逆に不安感を煽る要素となっています。撮影手法や照明が巧みに使われ、心理的な緊張感が強調されています。
感想と評価
『レイクビュー・テラス 危険な隣人』は、スリラー映画として十分に楽しめる作品ですが、それ以上に社会的なメッセージ性が強い点が特徴です。サミュエル・L・ジャクソンの圧倒的な存在感が物語全体を引き締め、観客を引き込む力があります。
一方で、ストーリーの進行がやや予測可能であるという意見もあります。しかし、そのテーマの重要性やキャストの熱演を考慮すると、見ごたえのある作品と言えるでしょう。
監督・脚本・プロデューサー
監督
- ニール・ラビュート (Neil LaBute)
ニール・ラビュートは脚本家や劇作家としても知られる映画監督です。彼は社会的テーマを扱った作品を得意とし、人間関係や倫理的問題を鋭く描くことで評価されています。本作でも、人種間の緊張や偏見をスリラーの要素と絡めて描いています。
脚本
- デヴィッド・ロフリー (David Loughery)
- ハワード・コーシャン (Howard Korder)
本作の脚本は、デヴィッド・ロフリーとハワード・コーシャンによって共同で執筆されました。デヴィッド・ロフリーは主にスリラーやアクション作品で知られる脚本家です。
プロデューサー
- ウィル・スミス (Will Smith)
- ジェームズ・ラシター (James Lassiter)
- デヴィッド・リンダー (David Linde)
- ジョン・キャメロン (John Cameron)
ウィル・スミスとジェームズ・ラシターは、ウィル・スミスの制作会社である**オーバーブルック・エンターテインメント (Overbrook Entertainment)**を通じてこの映画に携わっています。この制作会社は多くの話題作を手掛けています。
どこで観れる?
・NETFILX
・Amazonプライム(字幕)
まとめ
『レイクビュー・テラス 危険な隣人』は、隣人トラブルという身近な題材を通じて、現代社会の複雑な問題に鋭く切り込んだ作品です。スリラー映画が好きな方や、社会問題に関心のある方にはぜひ一度観ていただきたい映画です。